心の病を理由に離婚を切り出された~病気になった私が悪いのか~

こころとからだ。
人の精神は意外と繊細です。
「心身ともに強靭だから大丈夫」と思っている方でも、うつ病などの心の病気にかかることは、ままあります。
心が弱っているときにそれを理由

に離婚を切り出されたら…。
泣きっ面にハチの状態です。
今回は、パートナーから心の病気を理由に離婚を切り出された場合、どうすれば良いのかを考えていきたいと思います。

こころの病気ってどんなもの?

こころの病とは、脳の障がいや損傷によって引き起こされる、精神疾患のことです。
原因としては、怪我や薬の影響で発生する外因性ストレスなどによる心因性原因がはっきりわからない内因性が挙げられます。
怪我や投薬によって引き起こされた精神障害は原因があるので、パートナーの方も納得出来、ある程度の理解を示してくれるかもしれません。
しかし、心因性や内因性の精神疾患になると、目に見えないものですので、原因がつかみにくく、精神不安定の状態を単なる癇癪、わがままと認識されてしまう可能性があるのです。

結婚後に起こるこころの病気にはどんなものがあるの?

結婚後は結婚前にくらべ、生活が大きく変化する方が多くいます。
結婚生活によって、うつ病(抑うつ)やPTSD躁うつ病などのこころの病にかかることがあります。
3つがどのような病気なのか、またどういったときにかかることが多いのかを以下にまとめてみました。

うつ病(抑うつ)

うつ病(抑うつ)とは、簡単に言うと、気分がふさいだり、やる気が出なくなったりする状態のことを指します。
このような状態が2週間以上続くと、心にストレスをかけることあるのです。
結婚生活で感じるストレスによって「うつ病」を発症する方は少なくありません。
また、女性がうつ病になる原因には、仕事等の人間関係のほか、「出産」や「育児」などがあります。

PTSD

PTSDとは過去のショックな体験や、強い心のストレスによって、恐怖感を覚えることです。
おもに災害や事故、暴力や犯罪被害によって引き起こされます。
結婚生活においては、DVやモラルハラスメントなどが原因になることが多いです。

躁うつ病

別名双極性障害ともいいます。
気落ち状態と活動的な躁状態を繰り返すことをいいます。
躁うつ病は、統合失調症と並び2大精神病と呼ばれていますが、明確な原因は不明です。
ただし、他の精神病に比べ、比較的治療体制が整っているので、投薬治療などで改善する可能性が高いです。
しかしながら、再発も多い病気なので発症したときには長期的に見ることが大切です。

以上が心の病気についての説明でした。
心の病気は、決して治らない病気ではありません。
しかし、「精神病」だと気づかずに放置したり、また治療をしなかったりした場合には、症状が悪化し、夫婦関係にも支障をきたしてしまう可能性があります。
次章では、「こころの病」によって離婚が成立するのかを考えていきたいと思います。

こころの病を理由に離婚は成立するの?

離婚には夫婦間で話し合う協議離婚と家庭裁判所をとおして行われる調停離婚、裁判離婚があります。
協議離婚は相手の同意があれば、特に理由がなくとも離婚することが可能です。
相手の同意が得られない場合には、民法に記載されている法定離婚事由のいずれかに当てはまらなければなりません。
法定離婚事由は以下になります。

・不貞行為
・悪意の遺棄
・3年以上生死不明
配偶者が重度の精神病で回復を見込めない場合
・その他婚姻を継続し難い重大な事由

「こころの病」で離婚したいとパートナーが言った場合、自身が、「重度の精神病で回復が見込めない」状態でなければなりません。
結論として、パートナーが「離婚したい」と言っても、実際に離婚が認められるのはかなり難しいといえます。
文字では「重度の精神病」と「回復の見込めない」状態のことしか記載されていません
しかし実際は、精神病にかかった配偶者を献身的にサポートしたか配偶者の離婚後の生活が成り立たない場合は、なかなか離婚の裁定はくだりません。

「こころの病」での離婚は、ケースバイケースで「○○だったら、絶対離婚できる」といった指標が無いのです。
したがって、パートナーから「こころの病」で切り出されても、自分自身が合意しなければ、離婚される可能性はかなり低いと言えるでしょう。
仮に、あなたの同意を得ずして、離婚届を役所に提出した場合には、有印私文書偽造罪や電磁的公正証書不実記録罪にあたり、犯罪です。
加えて、勝手に離婚届を出された場合には、無効になります。
とはいえ、「こころの病」の状態ならばどんな振る舞いでも許されるということではありません。
次章では、○○をすると有責になり得るということを考えていきたいと思います。

要注意!~こんなことがあったら離婚が成立する可能性が…~

前章では、「こころの病」を理由に「離婚」を成立させるのは難しいことをお話しました。
今回は、「こころの病」が原因で離婚される可能性のあることについて考えていきたいと思います。
離婚について調べていると、「有責配偶者」という言葉をよく耳にすると思います。
「有責配偶者」とは具体的にどのような状態のことを言うのでしょうか。

有責配偶者とは…?

有責配偶者とは、婚姻関係を破綻させた原因がある配偶者のことを指します。
また、婚姻関係を破綻させた原因を有責事由といいます。
具体的な有責事由にあたる行動は、前章で紹介した法定離婚事由にあたるかどうかです。

つまり、「こころの病」で離婚の成立が難しくとも、他の法定離婚事由にあたる行動をとった場合には、離婚が成立する可能性は大いに有り得ます。
主な行動は以下のようになります。

① 不倫
② DV
③ モラルハラスメント

① 不倫

ここでいう不倫は性行為を含んだ不倫になります。
配偶者以外の異性との性行為は法定離婚事由の不貞行為にあたります。
うつ病など、精神的な不安定な状態であると、他者への承認欲求が強まり、不倫をしてしまうことがあります。
この場合は、有責配偶者になり、離婚が成立する可能性が高いです。

②DV

DVにはさまざまな種類がありますが、ここでは身体的暴力について言及します。
パートナー、子どもへの暴力は法定離婚事由の悪意の遺棄などにあたる可能性があります。
こころの病の中には、精神的に不安定になり、攻撃的になってしまうことがあります。
離婚が成立することもさることながら、親権を取得できなくなったり暴力行為が激しいときには、傷害罪などの刑事罰に処される恐れもあります。

③モラルハラスメント

②のDVと似通っていますが、「こころの病」によるモラルハラスメントも離婚が成立する可能性があります。
モラルハラスメントとは、人に嫌な言動や行動をとることを指します。
具体的に言うと、暴言や無視、物にあたり人をおびえさせる行為などです。

以上が「こころの病」で離婚が成立する主な理由でした。
どんなに精神が不安定であっても、決して許されない行為はあります。
特に、②や③については、パートナーや自身の子どもにPTSDなどの「こころの病」を発症させる恐れがあります。
また、統計上、DVによって虐待を受けた子どもが結婚した場合、自身の子どもを虐待してしまうことが多いです。
こうして負の連鎖が止まらなくなる可能性が高いので、自身が暴力的になっていると感じたならば、パートナーに相談し、病院で診察してもらうことをおすすめします。

まとめ

今回は、自分自身がこころの病にかかってしまい、パートナーから離婚を切り出された場合についてお話をしてきました。
こころの病は発症に気付くのが早いと、症状が比較的軽度で抑えられることがあります。
また、カウンセリングや投薬で症状が改善することもあるのです。
しかし、症状を放置していると、他の精神疾患が併発してしまい、通常の生活が永遠に失われてしまう可能性があります。
精神疾患というとなんとなく忌避感を覚えるかもしれませんが、それを肯定し、向き合っていくことで夫婦関係が改善する場合もあります。
とはいえ、パートナーが病気について協力的であればよいですが、必ずしもそうとは限りません
パートナーに理解されず、離婚を切り出された場合には、弁護士に相談してみるのも手段のうちです。
自身が感情的になって、うまく説明できない場合には医師に相談の上、自身の家族などに付き添ってもらっても良いでしょう。

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