働けども、はたらけども ~仕事をしてくれないパートナーと離婚する方法~

「職場でいやなことがあった」「解雇された」「理由はないけど、もう働きたくない」
上記のような理由で、パートナーが突然仕事を辞めてしまうことは、結構有り得ることです。
仕事を辞めること自体は仕方がないですが、パートナーが働かないままの状態であると、金銭的にひっ迫することが多いです。
今回は、仕事を辞めたパートナーと離婚が出来るのか考えていきたいと思います。

パートナーが働かない ~どんな理由であれば離婚が認められる?~

働くことは、「勤労」として、憲法で国民の三大義務に定められています。
現代の日本は、貨幣経済なので、お金がないとほとんど生活が立ち行きません。

お金を得るためには、ほとんどの場合、「労働」が必須です。
結婚するにあたって、パートナーがどんな仕事に就いているか、年収はどれくらいなのかを考慮した方も少なくないのではないでしょうか。
とはいえ、結婚後、パートナーが仕事を辞めたり、年収が下がってしまったりすることは珍しいことではありません。
では、パートナーが働かないことを理由に、離婚は出来るのでしょうか。

「働かない」だけじゃ、離婚の有責事由にはならない

働かない理由は、人によってそれぞれです。
単に働きたくないということも考えられますし、事故や怪我などで止む無く、職を辞す方もいると思います。
また、勤めていた会社の業績が悪化し、解雇された後の働き口が見つからないなんて事態もあり得ます。
そのため、パートナーが働いていない=離婚の有責事由になるとは限らないのです。

パートナーが「働いていない」ことを理由に離婚できるケースとは…?

パートナーが「働いていない」こと自体は離婚の有責事由にはなりません。
しかし、「働けない」のではなく、「働かない」場合には離婚の有責事由になることがあります。
つまり、正当な理由なく働いていない状態のことです。
正当な理由なく、働かずに、家計へお金をいれないことは、夫婦の扶助・協力義務違反になり、法定離婚事由のひとつである、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるケースがあるのです。
この場合、パートナー側に有責事由があるとして、離婚することが可能です。
ただし、働いていない⇒即離婚とはいかず、「正当な理由なく働かない」ことを証明しなければなりません。

証拠になるもの、確認しておくこととは…?

離婚の有責事由を証明するものとして有効なものは以下が考えられます。

日記やメモ
パートナーが健康でもあるのにも関わらず働いていないことの記録は、証拠として認められる可能性が高いです。
時系列順に、パートナーの生活の様子を記しておきましょう。
具体的に言うと、「家事をしない」、「ギャンブルでお金を消費している」などが考えられます。

通帳などの入出金記録
不労所得があれば別ですが、働いていなければ、当然家計にお金を入れていないでしょう。
また、何の相談もなく、家計から出金をしている可能性もあります。
出金が家計に必要なものなら特段問題視する必要はないですが、用途が不明な出金は要注意です。
ギャンブルなどの遊興費として使いこんでいる場合や、内緒で借金をしている可能性もあります。
したがって、お金の管理はしっかり確認しておいた方が良いです。

なお、結婚後の築いた預貯金等は、口座名義がパートナー名だとしても、夫婦の共同財産です。
パートナーが隠れて、自分名義の貯金を使い込んでいると、離婚時におこなわれる、財産分与での取得する財産が少なくなる可能性があるので、注意しましょう。

「働いていない」ことを理由に離婚が難しいケースとは?

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前章では、「働いていない」ことを理由に離婚できる場合の説明をしました。
今章では離婚が出来ない、もしくは難しいケースについて考えていきましょう。

離婚が難しいケースとして考えられるのは以下のようなケースです。
①怪我を負った場合
②病気を患った場合
③家事や育児などをおこなっている場合

①怪我を負った場合

ートナーが怪我を負ったときには、程度によって離婚が認められない確率が高いです。
特に、怪我の状態が酷く、後遺症がある場合の離婚の成立は、難しいことが現状です。
パートナーの介護が大変で、相談もなく別居したり、放置したりすると、状況によっては、保護責任者遺棄罪にあたることがあるので気を付けましょう。

②病気を患った場合

病気の種類が身体的なもの、精神的なものどちらであっても、離婚できる可能性は低いです。
法定離婚事由の中に、「配偶者が重度の精神病で、回復を見込めない場合」というものがあります。
しかし、実際にはそういった状態であっても、離婚が認められる可能性は低いと言えるでしょう。

③家事や育児などをおこなっている場合

夫が働いていない時でも、家事や育児の協力をしていれば、「その他継続し難い重大な離婚事由」には当てはまりません。
夫婦のうち、夫がお金を稼がないといけないというルールはないので、難しいと言えるでしょう。

働かないパートナーとは、どう付き合っていけばいいの?

何の理由もなく働かないパートナーと居ると、苛立ちを覚え、精神的苦痛を覚えることがあると思います。
では、そんな状態のパートナーに対して何か手立てはないのでしょうか。

まずは別居を考える!

自分自身が冷静になる手段として、最も有効なもののひとつが、「別居」をすることです。
イライラした状態で、離婚を決めると後に悔いが残るかもしれません。
したがって、一度俯瞰的に自分の状況を考えるためにも、別居をおこなった方が良いでしょう。
その上で、離婚という決断をした場合でも、ある一定期間別居をしていると、「夫婦関係が破綻している」と判断され、離婚が比較的容易に行えることがあります。
夫婦関係が破綻している」と判断されるだろう期間は、大体5年くらいが目安になるでしょう。

別居をする上での注意点!

①黙って出ていかない
いくらパートナーに腹が立ったからと言って、何も言わずに出ていくのは悪手です。
別居を言い出すのは、なんとなく気まずく感じるかもしれませんが、黙って出ていくと法定離婚事由の「悪意の遺棄(※)」にあたり、出て言った側が有責を負うかもしれません。
また、離婚が裁判にもつれ込んだとき、不利になる可能性もありますので、注意しましょう

②パートナー以外の異性と暮らさない
別居をするうえで、パートナー以外の彼氏がいても、一緒に暮らさないようにしましょう。
別居前に相手がいるか、別居後に相手が出来たかで多少事情が異なりますが、離婚するときに不利になる可能性が高いです。
特に、別居前からパートナー以外の彼氏がいた場合には、法定離婚事由である「不貞行為」を疑われる可能性があります。
実際は性行為をしていなくても、一つ屋根の下で暮らしていると、「不貞行為」があると判断されることもあります。
加えて、「不貞行為」に相当しなくても、「その他重大な婚姻を継続し難い事由」と判断されることも否定できません。

慰謝料を請求できる?

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パートナーが正当な理由なく働かずに離婚にいたった場合には、慰謝料の請求を出来るケースがあります。
それは、生活への不安や養育に関するお金への不安など、精神的苦痛を感じた場合です。
パートナーが働かないことで感じるストレスによって、うつ病などの精神疾患、円形脱毛症やストレス性胃腸炎などを発症することもあるでしょう。
精神的苦痛を理由に慰謝料を請求するには一体どんなものが必要なのでしょうか。

慰謝料をもらうために行うこととは…?

慰謝料をもらうためには、自身が精神的苦痛を受けたことを証明する必要があります。
もう少し詳しく言うと、病院から貰う診断書や通院記録です。
とはいえ、診断書は想像がつきますが、通院記録とは具体的にどのようなものか分からない方もいらっしゃると思います。
通院記録には、病院で管理しているカルテ(診療記録)のほか、スマホのアプリや、製薬会社のホームページなどで記録できるものがあります。
アプリなどを使って、自分で作成した通院記録でも、ある程度の有効性があると思いますが、より有効性を高めるため、病院へカルテの開示手続きをした方が良いかもしれません。

まとめ

今回は、働いてくれないパートナーとの離婚についてお話をしてきました。
パートナーが病気や怪我などを理由に、働けない状態であれば、即離婚と考える方は少ないと思います。
しかし、自身が一生懸命働いているのに、家事や育児をせず、だらだらしていたら業腹ものですよね。
とはいえ、「仕事を辞める前は働きすぎるくらい働いていた」と言った場合には、うつ病や自律神経失調症なども考えられます。
そのため、パートナーとコミュニケーションを取り、状態を把握したうえで「離婚」を考えた方が良いでしょう。

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