こんなに愛してくれている夫なのに…離婚したい…~踏みとどまるか、とどまらないかはどこで決める?~

結婚生活を長く続けていると、多少なりとも不満が出てくるというもの。
通常ならば、すぐに「別れ」を選択せず、話し合いをしてすり合わせていくと思います。
しかしながら、嫌いでなくても離婚したくなることってありますよね。
今回は離婚をするべきかどうかの境界について深く考えていきましょう。

日本の離婚の○○パーセントは、夫婦同士で解決?~世界との違い~

離婚の決断はとても難しいものです。
「自分の夫が100パーセント悪い」と考えられれば、即、離婚の決断をくだせると思いますが、誰でもそうとは限りません。
夫婦のかたちはそれぞれです。
例えば、世の中には一妻多夫制の家庭もありますし、日本でも週末婚を何年も続けている夫婦もいます。
周囲にどう思われようが、夫婦が互いに納得していれば、どんな愛のかたちでも本人の自由です。(法律上問題がある行動もあるかもしれませんが…)
それと同じように、別れの理由についても、「こんなことで?」と首をかしげる理由でも夫婦で夫婦が互いに納得済みであれば、離婚出来ます。

日本の離婚の9割近くが協議離婚

日本の法律では、離婚=裁判にはつながらず、裁判を起こすには「法定離婚事由」が無ければなりません。
法定離婚事由は以下になります。

不貞行為
悪意の遺棄
3年以上生死不明
配偶者が重度の精神病で回復の見込みがない場合
その他婚姻を継続し難い重大な事由

離婚したい理由が上記にあてはまらないと、裁判をおこすことは出来ません。
実際、日本で裁判離婚に発展する割合は1パーセント程度です。
対して夫婦の話し合いでおこなう協議離婚は、87.1パーセントです。
つまり、大半の夫婦が話し合いによって離婚を決めていると言えるでしょう。

基本的に訴訟を起こすには離婚調停を挟まなければならず、夫婦同士の話し合いで離婚するよりも時間がかかることも一因と言えるでしょう。
こうした裁判所を通さない協議離婚と言う方法は、世界的に見ても珍しい制度ともいわれています。
しかし、なぜ珍しいと言われているのでしょう…?

世界で一般的な離婚方法は裁判所をとおす

協議離婚という考え自体は、今から約200年前のフランスの民法で定められました。
日本の協議離婚と異なる点は、形式上とはいえ裁判所の審理を受けなければならないことです。
現在でも、イギリスやドイツ、フランス、アメリカ、オーストラリアなどは裁判所をとおさないと離婚が出来ません。
対して、日本の離婚は離婚届を役所に提出すれば終わりです。
親権や共同財産、慰謝料などと言ったトラブルがない限りどこの国よりも離婚手続きが簡単なのかもしれませんね。

隣の芝生は青い?~離婚を考える前にまず話し合いを~

「好きな人と結婚したはずなのに、なぜか他の夫婦がうらやましい」と感じたことは無いですか。
結婚に限らず、恋人になったとたん、「恋愛フィルター」がはずれ、「あ、好きじゃなかった」なんて経験をした方も少なくないのではないでしょうか?
恋人と夫婦では状況こそ違いますが、理想としていた夫が、理想と反する行動や言動をおこなうとギャップを感じ冷めることがあります
ここで大事なのは、冷めた理由です。
感情的になって、「あーもう無理」と離婚に先走るのは得策ではありません。
夫婦で話し合えば、互いに折り合いがつく問題もありますし、相手に言わないで家出や別居をすると、反対にこちら側が有責配偶者になりかねません
とはいえ、理由によっては我慢せずに離婚を選択した方が良いこともあります。
そこで、離婚よりもまず話し合いをした方が良いときを以下にまとめてみました。

①趣味が合わない
②恋人のときよりも愛せなくなった
③習慣が違う

①趣味が合わない

趣味趣向が合わないのは、結構ストレスです。
確かに、共通した趣味や好みがある夫婦は離婚率が低いという傾向があります。
例えば、運動大好きな妻と運動は苦手で、ゲームが好きな夫だと、どちらか一方に合わせ続けると疲れてしまいますよね。
そういった場合には、まず真剣に夫婦で話し合うことが大切です。
「趣味や趣向が合わないくらいで」、なんて考えるかもしれませんが、ものによっては一生付き合っていくものです。
実際に、趣味趣向が直接的な離婚原因になることは少ないですが、「趣味を馬鹿にしてくる」「味付けの好みが違う」などで離婚する夫婦もいます。
したがって、すれ違いが大きくなる前に夫婦で話し合うことが大切です。

②夫を愛せなくなった

「愛」というと、エネルギッシュな恋愛を連想しがちですが、愛のかたちはひとつではありません。
確かに、恋人のときや新婚のときに比べ、夫に愛情を持てなくなったと感じる方は多いと思います。
しかし、そもそも恋愛関係で感じる愛は、脳が興奮状態です。
「吊り橋効果」と言う言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
身体は命の危険を感じるとアドレナリンやドーパミン等といった脳内物質が分泌され、興奮状態になります。
恋愛に関しても同じような現象が起こります。
しかし興奮状態が続くということは、言葉を変えて言えば常にストレスがかかった状態なので、持続し続けると心身に支障をきたすこともあるのです。
そのため、恋人のときのように愛せなくなるのは身体的に当たり前のことなのです。
その代わりに、家族愛や友情めいた感情が生まれます。
本当に夫が愛せなくなってしまったのか、高揚感が無くなっただけで親愛は感じられるのか見極めることが大切です。

③生活習慣が違う

別々の家庭で育ってきたわけですから、夫婦であっても生活習慣が多少異なるのは仕方がありません。
加えて、ひとはそれぞれ性格が違いますから、神経質な方と大雑把な方が一緒に住むと、喧嘩に発展してしまうこともあると思います。
そういったときに大切になるのが、お互いの生活習慣や性質について話し合い、すり合わせることです。
価値観や習慣がかみ合う確率はかなり低いです。
しかしながら、どちらかが我慢しながら生活すると、ストレスが溜まり、相手を嫌いになってしまいます。
そのため、許容することが大切です。
自分の中でどうしても曲げられないこと、相手にとって譲れない部分、お互いが気を付けることで、離婚に発展することを回避できることもあります。

以上が、離婚を考える前に夫婦のあいだですり合わせをおこなった方が良いことでした。
結婚生活を送っていると恋人のときは見えていなかった夫の欠点やこだわり性質が見えてくると思います。
距離が近くなると、欠点ばかりに目が行ってしまい、なかなか長所が見つけられないかもしれません。

しかし、話し合うことで夫婦の齟齬が無くなるのであれば、まず問題について話し合いをおこなった方が良いでしょう
こちらが真剣に話し合いをしたいと伝えているのに、取り合ってくれないときに改めて離婚を考えてみてはいかがでしょうか。

どうしたって分かり合えない夫婦~離婚を考えた方が良いかもしれない理由~

前章では、離婚を考える前に夫婦で話し合った方が良い場合について掘り下げていきました。
本章では離婚を考えた方が良いケースについて考えていきたいと思います。
以下のような状況ならば、離婚を考えた方が良いかもしれません。

妊活に非協力的
話し合いに応じてくれない

妊活に非協力的

子どもを望んでいるのに、夫が妊活に非協力的なのであれば、離婚を考えても良いかもしれません。
妊娠や出産は何歳になっても出来るものではなく、タイムリミットがあります。
子どもを望んでいる方にとって、妊活に非協力的な相手は大きなストレスになる可能性があります。
夫婦のどちらかが体質的に妊娠しにくいケースならば、離婚以外の選択もあるかもしれません
しかし、特に理由なく行為を一方的に拒否するセックスレスで子どもが出来ないのであれば話は別です。
長期間、理由なくセックスレスになった場合、「日本の離婚の9割近くが協議離婚」でお伝えした法定離婚事由に該当する可能性が高まります。
つまり、拒んだ側が有責配偶者になることもありえるのです。
どんなに望んでも夫婦の子どもは一方だけの努力では産めませんので、夫が行為に対して非協力的なときには離婚を考えて良いと思います。

話し合いに応じてくれない

隣の芝生は青い?~離婚を考える前にまず話し合いを~」でお伝えしたことは、話し合いが前提です。
しかし、そもそも相手方に「話し合う気がない」「取り合ってくれない」場合、解決手段がありません
話し合いが出来ないということは、そもそも夫婦間のコミュニケーションが取れていないことと同じです。
したがって、こちら側が話し合おうという姿勢を見せても、相手方から何もアクションがないときには離婚を考えてみても良いと思います。
とはいえ、離婚をするにしても、夫婦間での話し合いが必要ですよね。
そもそも話し合いに応じてくれない相手に離婚の話をしても、聞き流されてしまう恐れがあります。
そういった場合には、家庭裁判所に離婚調停を申立てするのも手段のうちです。
加えて、別居も夫婦関係が破綻しているとして、離婚が認められる可能性が高くなります。
別居で注意することは、「勝手に出ていかない」ことです。
夫に何も言わず出ていくと、法定離婚事由の「悪意の遺棄」に該当することがあり、こちら側が有責配偶者になってしまう可能性があるからです

以上が、離婚した方が良いおもなものでした。

上記のふたつは夫婦にとってとても大切なことです。
「自分が我慢すればいい」と思ってずっと耐えていると、精神を病んでしまう恐れがあります。
なお、配偶者から暴力や暴言などを受けている場合には、「離婚を考える」云々ではなく、すぐに別居しましょう。
金銭的な問題等で、別居が出来ないときには、公的な相談窓口)http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html)もありますので検討してみてください。

体験談

これまで、夫婦の離婚についてさまざまな角度から考えてきました。
本章では、どうしても価値観が合わず離婚になった夫婦の体験談を紹介します。

青い鳥シンドローム~私たちは今日離婚します~

妻:ナコ(24)職業:専業主婦 年収:なし
夫:ヨウジ(37)職業:会社員 年収:800万円
子ども:なし

離婚と言う言葉は、私にとって関わりない出来事だと思っていました。
まず、夫との出会いからお話したいと思います。
ヨウジは私が高校生の頃の数学の先生でした。
進路相談をするうちに彼のことを好きになってしまい、在学中に一度告白をしました。
その時は、「子どもには興味ない」と一蹴されてしまいましたが、諦めることが出来ず、高校を卒業し、短大に進んだ後もアプローチを続けました。
その甲斐があって、私が20歳のときに付き合うことが出来ました。
その後、2年の交際を経て、結婚しました。

結婚当初は、大好きな先生と結婚できた、幸せを感じていました。
しかし、結婚から半年が経ったくらいからでしょうか。
次第に彼への想いが冷めていってしまったのです。
特に何をされたわけではありませんし、大切にされていたと思います。

けれども、今まで憧れだった夫と生活感のある会話をするたび違和感を覚えるようになり、仕事の愚痴を吐く姿に嫌気がさしてきました。
また、洗濯や掃除の方法に関してもあれこれ口出ししてくるところもむかつきました。
彼とすごす時間が長くなればなるほど、顔を見るのもいやになりました.
この時に、冷静になって夫とのコミュニケーションを取れば、こんな結末にならなかったかもしれません。

結婚生活が2年になるころ、私は限界を感じ夫に離婚を切り出しました。
彼は私の態度に思うところがあったようで、「わかった」とあっさり了承されました。
婚姻期間が2年と短いこともあって、共同財産などの手続きはすぐに終了し、離婚を切り出して3か月後、夫婦そろって離婚届を提出しました。
「幸せに」と言われ、不意に失ったものが大きいことに気づきました。

けれど、もう後戻りも出来ません。
今は取り返しのつかないことをしてしまったと後悔する日々を送っています。
もうどうしようもないことですが、彼を勝手に理想化して、型にはめていたのは私だったのだなと気付きました。
悔やんでも悔やみきれませんが、今後また結婚することがあれば、次は絶対に間違えたくないと強く思っています。

まとめ

今回は夫婦間の問題が即離婚につなげていいのかを考えていきました。
童話の『青い鳥』では貧しい兄妹のチルチルとミチルが捕まえれば幸せになるという青い鳥を夢の中で捕まえようとします。
結局捕まえられず、悲しい気持ちで起きることになるのですが、部屋で飼っていたキジバトが青い鳥になっていたという終わりです。
この童話の解釈は「幸せは案外身近なところにある」ということになります。

この話と同じように、夫とは妻にとって身近なひとのひとりです。
したがって、欠点や嫌なところが目に付きがちになってしまいます。
けれども、本当に夫と過ごす時間は苦痛だけでしょうか
冷静に考えて、苦痛だけであるのであれば、離婚をしても仕方ないかもしれません。
しかし、違和感を覚えたときには離婚を切り出す前に、夫婦で話し合うことも大切です。
夫婦の問題はさまざまで、離婚はその問題を解決する選択肢のひとつにすぎません
問題によっては、他の道があるかもしれませんので、出来るだけ後悔の少ない選択をしていただければと思います。

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