離婚後の後悔を少なくするためのすすめ

離婚するにあたって、大小あれど、離婚後に後悔を感じる方もいるでしょう。
しかし、離婚後に「あの時こうしていればよかった」というような後悔は、場合によって回避できる可能性があります。
今回は、離婚後に感じる後悔を少なくできるような方法について考えていきたいと思います。

離婚するための準備 ~何が必要?~

「パートナーと合わないから離婚したい」「不倫されたから離婚したい」「お金を全然いれてくれないから離婚したい」。
離婚を考えている方が置かれている状況はさまざまです。
恋人と別れるより、離婚する方が何倍もエネルギーを使う」という言葉をよく耳にします。
確かに結婚する前に恋人と別れることと、結婚した夫と離婚することとは、心情的にも、また法律的にも意味合いが異なると思います。
恋人同士の別れは、どちらか一方が「別れたい」と告げ、物理的に連絡をとれない状態にすれば、成立することもあります。
対して、夫婦同士が離婚する場合には、原則的に夫婦両方の合意を必要とします。
また、結婚しているあいだに作られた財産の取り分や、慰謝料が発生した場合は、その金額の取り決め、子どもがいる夫婦なら、親権や養育費などといった権利やお金も決めなければならないでしょう。
取り決めることをあげていくと、考えていたことよりも多くて、頭を抱える方も少なくないのでないかと思います。
そこで、離婚前に考えておくことをまとめてみましたので参考にしていただければ幸いです。

① 財産分与…夫婦が婚姻後に形成した財産(共有財産)の分配割合を決めます。
結婚前の財産や、個人的なプレゼント、相続した財産などは共有財産に含まれません。

離婚原因が「性格の不一致」などで、どちらにも非がない場合には、折半されることが一般的です。
また、夫婦のどちらかに収入がないケースでは、ない側に多く分配されます。
加えて、離婚原因がどちらかにある場合には、慰謝料の代わりとして分配されることもあります。
②証拠集め…「不倫」や「DV」などといった状況で離婚したい場合には、相手方が離婚原因となる行動をした」と客観的に証明できるものを集めておいた方が良いでしょう。
夫婦間の話し合いでまとまらないときに、調停や裁判へと移行していきますが、その場合に証拠があると有利に離婚を進めやすくなります。
③親権について…子どものいる夫婦が離婚するときには、どちらが親権を取得するかを必ず決めなければなりません
裁判所による親権者の決定には、これまでの育児への貢献度や、給与収入などの経済力が考慮されるので、離婚を見越して就職をしたり、またあらかじめ公的に受けられる支援策等を調べておくと良いでしょう。
子どもが乳児や幼児である場合には、育児放棄や虐待などがない限り母親の方が親権を取得しやすいですが、子どもがある程度、自己の意思を表すことのできる年齢であると子どもの意志も反映される傾向にあります。
そのため、子どもとの関係性も大切になってくるのです。
④養育費…子どものいる夫婦が離婚するのであれば、離婚する前に養育費の取り決めをしておいた方が良いでしょう。
養育費の取り決め自体は離婚後でも可能ですが、離婚前の方が当然に相手方とコンタクトが取りやすいと思われ、できれば離婚前に決めておいた方が良いです。
以上が離婚前に決める主なものですが、上記に挙げたほかにも、慰謝料や非親権者(もしくは非監護者)の面会交流なども取り決める場合があります

話し合い×調停×裁判? ~離婚裁判にいたるまでの過程~

日本の離婚は、「話し合い」で解決することが前提とされています。
「3年以上行方不明」のような特別な理由がない限り、どんなに夫婦仲が悪くとも、離婚協議や離婚調停を飛ばして、裁判で争うことは出来ません。
では裁判にいたるまでの流れを簡単におってみましょう。

①離婚協議…夫婦間での話合いで離婚を成立させる方法です。
基本的に夫婦2人で話合うことの方が多いですが、離婚の原因がどちらかにある場合などでは、当事者だけだと感情的になりやすく、弁護士などの第三者をまじえておこなうケースもあります。
たとえ第三者が話し合いを取り持ったとしても、裁判上の手続きに移行せず、合意にいたったときは協議離婚とよびます
②離婚調停…①での話し合いが平行線で、解決しないときに、利用する方法です。
調停とは調停委員が夫婦のあいだにたって、双方の言い分を聞き、妥協案を提示し和解に導くものです。
調停をおこなうには、まず夫婦のどちらか一方が家庭裁判所へ「夫婦関係調整調停(離婚)」の申立てをする必要があります。
申立てが受理されると、調停の日取りが決められ、相手に通知が送られます。
通知された日時に、家庭裁判所へ行き、調停がおこなわれるのです。
なお、調停には離婚の可否を問うものの他に、離婚を前提としない夫婦関係調整調停や養育費の取り決めをおこなう調停もあります。
また、調停を進めていくうえで、「双方が離婚には同意しているが、離婚条件で対立している」「離婚には同意しているのに、調停を引き伸ばすためわざと出廷しない」といったトラブルが発生した場合には、裁判官や家事調停官などが、審判をおこない離婚を成立させるケースもあります。
③ 離婚裁判…離婚協議、離婚調停を経てもなお、離婚が決まらない場合におこなう手段です。
調停は、話し合いで夫婦の問題を解決に導くものですが、裁判は夫婦が離婚の可否で争うことになります。
裁判を申し立てるためには、原則として離婚調停をおこなったことが前提になります
また、離婚の原因が民法で定められた法定離婚事由(※)にあたらなければ裁判は出来ません。
つまり、「なんとなく嫌いだから」「気に食わないから」などのあやふやな理由では、裁判自体を起こせない可能性が高いので注意しましょう。
法定離婚事由…「不貞行為」「悪意の遺棄」「3年以上生死不明」「相手が重度の精神病で回復を見込めない場合」「そのほか婚姻を継続し難い重大な事由」の5つです。
以上が離婚協議から離婚裁判にいたるまでの簡単な流れでした。
離婚というと、「どこまでも争う」裁判のイメージを持っている方も少なくないと思いますが、実際には協議離婚が9割近くをしめ、裁判離婚まで発展する夫婦は数パーセントにすぎません。
また、調停や裁判に進んでいくと、協議離婚を選択したときよりも離婚するまでの時間が、長くなってしまう可能性もあります。
離婚原因によっては、相手を追い込むために、争いたくなるケースもあるとは思います。
しかし、離婚後の生活を冷静に考え、多少妥協したとしても、争いを長引かせない方が得策であるケースもあるので、争うことが自分にとって得になるのか、改めて確認しておくと良いと思います。

後悔したくない! ~円滑にすすめる話合いのコツ~

前章では離婚協議から離婚裁判にいたるまでの流れを説明いたしました。
今回は、離婚の取り決めをするにあたって、円滑に話し合いを進めるための3つのポイントを紹介したいと思います。
頭ごなしに否定しない…離婚原因が相手方にあった場合、相手のすべての考えを否定したくなることがあると思います。
しかし相手が悪いからといって、頭ごなしに否定をしてしまうと、相手方のボルテージも上がってしまい、怒鳴り合いに発展する可能性があります。
そのため、話し合いをするときには慎重に言葉を選び、否定しすぎないようにしましょう。
②感情的にならない…①とやや似通っていますが、話し合いの時には怒りや悲しみなどの感情を抑えてのぞみましょう。
泣いたり怒ったり、感情がむき出しの状態では建設的な話し合いがほとんどできません
どうしても感情が出てしまうときには、一定の冷却期間をおいても良いと思います。
また、自分がどうしたいか、最終的にどうなりたいのかを、紙に書いて話し合いにのぞんでみても良いかもしれません。
③時間をかける…離婚協議では、共有財産の分配や、親権、養育費、婚姻費用など、離婚する状況によっては多くの取り決めをしなければなりません。
そういった場合、時間をかけずに取り決めをすると、後になって「こうしておけばよかった」と後悔する可能性があります。
そのため、時間をかけて話し合いを進めていくことが大切です。
また、話し合いを進めるにつれて自分自身を改めて見つめなおすことが出来、お互いに歩み寄って、離婚を回避できるケースもあります。

みんなの体験談

これまでは離婚前に考えておくことや、裁判離婚までの流れ、話し合いに向けての心構えなどをお話してきました。
今回は実際に離婚を選択した女性の体験談を紹介したいと思います。
妻:ゆうこ(33)職業:会社の受付 年収:300万円
夫:さかき (32) 職業:IT企業サービス部(主任)年収:600万円
娘:ゆかり(1)

夫のさかきとは、会社の同僚でした。
課も仕事内容も違うので、挨拶を交わす程度の関係でしたが、会社の飲み会で席が隣になり、仲良くなりました。
仕事にも、私に対しても真面目で誠実な態度に惹かれるようになり、私から告白して交際が始まりました。
付き合ってから3年ほど経ち、「月並みだけれど」と前置きの後、プロポーズをされ、結婚。
新婚旅行をかね、海外で挙式をあげて、幸せいっぱいでした。
私が30歳を迎えた年から妊活をはじめ、2年後に娘のゆかりを授かりました。
しかし、私の妊娠中に、私の友人と不倫していることが発覚しました。
はじめは、怒りしか覚えず、彼の言うことなすこと、すべてを否定していた私ですが、ふと我に返り、娘のことも考えなければと思い始めました。
そこで、まず離婚するかどうかを話し合いました。
最初こそ、夫は「離婚したくない」と主張していましたが、私の離婚の意志が固いことを感じてくれたようで、長い話し合いの末、了承してくれました。
とはいえ、結婚してからの共有財産や、養育費、慰謝料等の折り合いがつかず、話し合いは1年にも及びました。
その結果、親権は私が取得し、共有財産は、慰謝料を別には請求しないこととして、私がすべてをもらい受け、更に養育費は月々6万円で決着が付きました。
同じ会社にいるのは、かなり気まずいので、私が他社へ転職しました。
現在は、アパートを借り、娘2人で暮らしています。
元夫の不倫は到底許されることではありませんが、感情のまま別れないでよかったと思います。
納得がいくまで話し合いを重ねたことで、元夫とは、ゆかりの父親として付き合っていくことにも納得できるようになりました。
これからたくさん大変なこともあると思いますが、娘を守れる母親になれるよう頑張っていきます。

まとめ

今回は、離婚後に出来るだけ後悔しないようにする、離婚前に準備しておくことをお伝えしていきました。
離婚は、結婚しても良いと思える人との別れであるわけですから、「後悔」を抱えてしまう方もいるでしょう。
しかし、「後悔」を引きずり続けてしまうと、離婚後の生活にも影響を及ぼしかねません
また、子どもがいる場合には、感情が伝染してしまい、子どもが不安を覚えてしまう可能性もあります。
そのため、離婚後に抱える後悔が出来るだけ小さくなるように、考えられる最善の準備をおしまない方が良いでしょう。
とはいえ、状況によってはどんなに準備しても後悔が大きくなってしまうこともあると思います。
そんな時は、自分一人で抱え込まず誰かに悩みを話すのも手段のうちです。
相談できるような信頼できる人が近くにいない場合は、母子福祉センターなどの公的機関に頼ってもいいでしょう。
離婚は非常にエネルギーを使うことなので、自分を追い込むばかりではなく、自分を肯定し、いたわることも大切なので、思いつめないようにしましょう。

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