【親子関係は血のつながりだけじゃない?】夫以外の子どもを妊娠した場合の父親は誰?

夫のDVが原因で別居した。別居後しばらく経って、相談にのってくれた男性と恋人関係になり、妊娠した。

夫と違って今の恋人は暴力を振わないし、結婚したいと思ってる。

夫とは一切縁を切って、今の人と家庭を作りたいけど、子どもの父親ってどうなるの??

 

 

婚姻中に生まれた子どもの父親は、血縁関係がなくても夫になる?

親子というと、普通血のつながりを持っている親と子のことを指します。

しかし、法律上の親子関係は、必ずしも血のつながりが必要となるわけではありません。

 

法律上の親子関係は、血縁関係によらない

法律では、離婚後300日以内に生まれた子どもは、例え元夫以外の子どもであっても、元夫の子どもとみなされます。

妊娠から出産までの期間がおよそ300日と言われておりますので、300日と規定されています。

女性の再婚禁止期間は、100日と定められていますが、妊娠をしている場合、その子どもを出産するまで再婚することはできません。

妊娠中に再婚してしまうと、法律上の父親が元夫になるのか再婚した男性になるのかわからなくなるからです。

 

なお、女性の再婚禁止期間は、2016年までは180日でしたが、法律の改正によって100日に短縮されました。

また、離婚時に妊娠していなければ、100日を待たずに再婚することもできるようになっています。

 

法律上の親子関係になることによって生じる義務や権利

法律上の親子関係は、一度決定されてしまえば、変更することが難しくなります。

法律上の親子関係を持つと、以下のような義務や権利が生じます。

 

【義務と権利】

■扶養義務

 

親子には、お互いに扶養する義務があります。

親の扶養義務は子が成熟する(経済的に自立する)までと言われています。

離婚し、非親権者となっても法律上の親子関係が解消されるわけではありません。

そのため、離婚後は養育費を渡すことによって扶養義務を果たしているとみなされます。

 

また、子どもにも親を扶養する義務があります。

加齢や病気等によって、親が最低限度の生活を維持できなくなった場合に、経済的援助を行うことを言います。

 

 

■相続権

 

親子は一方が死亡し、遺産があった場合にそれを相続する権利があります。

ただし、相続権には優先順位があり、親と子では順位が異なります。

 

親が死亡した場合

親が死亡した場合、子どもは特別な事情がない限り、その遺産を相続することができます。

 

子どもが死亡した場合

子どもが親よりも先に死亡した場合、子どもが子孫を残していないケースに限り、親はその子どもの遺産を相続することができます。

 

 

法律上の親子関係があるかないかで、大きな違いがあります。

例えば、親子双方が納得し、絶縁したとしても、法律的な意味は持たず、扶養義務や相続権は存続されます。

 

子どもの血縁関係上の父親と法律上の親子関係を結ぶためには?

法律上の親子関係を変更したい場合、裁判所で次のいずれかの申し立てを行う必要があります。

 

  • 親子関係不存在確認調停
  • 嫡出否認調停

 

親子関係不存在確認調停

親子関係不存在確認調停とは、何らかの事情によって本当の父親、または母親でない人の子として入籍している場合に利用できる調停です。

調停では、当事者が当該親とその子が親子関係にないことを話し合います。

当事者同士が合意したら、家庭裁判所は、本当に親子関係がないのか、事実調査を行ったうえで、審理を行い、審判をくだすこととなります。

なお、この調停を申し立てできる人は以下になります。

 

■親子関係不存在確認調停の申し立てができる人

 

子ども

義父(戸籍上の父)

実父等血縁関係がある親等

 

 

調停を行う場合は、法律上の親となっている者と血縁関係を持っていないことの立証が大変重要になることを覚えておきましょう。

 

嫡出否認調停

摘出否認調停とは、法律上の父親が、妻(元妻)が出産した子どもとの親子関係を否認する場合に利用する手続きです。

先述しましたが、婚姻中や離婚後300日以内に生まれた子どもは血のつながり関係なく、夫婦の子どもとみなされます。

そのため、法律上の父親がその子との親子関係を否定したい場合、嫡出否認調停を行うこととなります。

 

親子関係不存在確認調停との大きな違いは、申し立てをできる人が、法律上の父親に限られている点です。

したがって、この調停を申し立てて、親子関係を解消したい場合には、元夫の協力が必須です。

 

懐胎時期に関する証明書によって調停を行わなくても良いケースがある

ここまで、離婚後300日以内に生まれた子どもは、調停を申し立てないと、親子関係が難しいとお伝えしてきました。

しかしながら、離婚後300日以内に出産を行ったとしても、懐胎時期に関する証明書を利用することによって、調停を経ずに元夫を父親としない届け出ができるケースもあります。

 

懐胎時期に関する証明書とは、かかりつけの医者に事情を話して発行してもらうもので、妊娠の時期、およびその時期を算出した根拠が記載されています。

証明書に記載されている妊娠の推定時期の一番早い日が、離婚後の日付である場合には、調停を経ず、役所に出生届を提出できるとされています。

詳細につきましては、お住まいの地域にある役所に確認をしてみてください。

 

出生届を提出しないと子どもの不利益となる

実際は別の男性との子どもなのに、離婚後300日以内に生まれたため、法律上は元夫の子どもとみなされてしまい、出生届を出すことに躊躇してしまう方もいるかもしれません。

しかし、出生届を出さないということは、イコール無戸籍状態になるという意味でもあります。

子どもが無戸籍になることのデメリットは、以下の通りです。

 

  • 医療費が全額負担になる
  • 義務教育を受けられない可能性がある
  • 選挙権がない
  • 結婚ができない
  • 年金を受け取れない
  • 生活保護を受けられない
  • 銀行口座を作れない
  • できる仕事が限られる

 

医療費が全額負担になる

未成熟の子どもは、親の加入している国民健康保険、健康保険の被扶養者になる必要があります。

戸籍が無ければ、そもそも被扶養者になることができないため、無戸籍の子どもが病院にかかる場合、その医療費は全負担となります。

 

義務教育を受けられない可能性がある

義務教育は、日本の国民であれば必ず受けなければならないものであり、また親は教育を受けさせる義務を負います。

戸籍があれば、小学校等に入学する前に入学通知がなされますが、無戸籍では通知されません。

※親の事情を説明することによって無戸籍でも義務教育を受けることができます。

 

選挙権がない

選挙権は、18歳以上の日本国籍を有する男女に付与されます。

しかし、無戸籍の場合には、選挙権を有することはできません。

 

結婚ができない

結婚するには、戸籍謄本や身分証明書の提示等が必要となります。

無戸籍では、戸籍の情報が無いので、結婚することができません。

 

年金を受け取れない

国民年金保険は、20歳以上の男女に支払いが義務付けられているものです。

20歳に達すると国から、国民年金手帳が送付されますが、無戸籍の場合、国民として存在していないとみなされるので、支払うことも受け取ることもできません。

 

生活保護を受けられない

生活が困窮した場合、最低限度の生活を保障する制度が生活保護制度です。

生活保護を受けるには、日本国民であることが前提とされています。

無戸籍の場合、国民として存在していないとみなされるので、生活保護を受けることができません。

 

銀行口座を作れない

銀行口座を作成するには身分証明書が必要です。戸籍がないと身分証明書を作ることができないので、銀行口座を作成することができなくなります。

 

できる仕事が限られる

仕事をするには、正社員・アルバイト・契約社員など雇用形態に関わらず、身分証明書の提示を条件としている企業が多いです。

身分証明書の提示無しに働ける仕事は、数が限られてしまいます。

 

これらのように、子どもが無戸籍でいた場合のデメリットは人生を左右する大きなものとなります。

戸籍を作らないということは、子どもに対する重大な権利侵害です。

夫婦の事情で、相手方に子どもの存在を知られたくないなど、理由をお持ちなのかもしれません。

しかし、子どもの将来と自分の抱える事情、どちらが大切なのか改めて考えていただければと思います。

 

まとめ

今回は、離婚後に生まれた子どもの親や、無戸籍である場合のデメリットをお伝えしてきました。

戸籍があることは、国に自分が存在しているということを示すものです。

子どもの戸籍を変更したい、法律上の父親を本当の父親に変更したい等悩みがある場合には、弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。

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