離婚の手順をおさえてスムーズに!うまく再スタートを切りたい方へ

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離婚の手順を正しく理解している人は、そう多くありません。離婚を切り出すタイミングから、離婚後の手続きを把握しておけば、幸先の良いスタートが切りやすくなります。

離婚の手順をおさえて、スッキリとした気持ちで新たな一歩を踏み出したい……このお悩みの解決策を熟知している桔梗さんにお話を伺って、以下をまとめました。

  • 離婚の方法
  • 離婚の手順
  • 離婚に際して決めておくべきこと
  • 協議離婚が決裂してしまった場合の手順
  • 離婚時の手続きに関する手順

うまく離婚したい人は、見逃さないでくださいね。

離婚の方法

離婚の方法は3種類。話がこじれると大変ということをわかっておくだけでも役立つので、あらかじめおさえておきましょう。

協議離婚

一般的には最も多いとされる離婚方法です。夫婦で話し合ったうえで離婚届にサインと捺印をし、近くの市町村役場へ届け出れば離婚が成立します。離婚したい多くの夫婦は、手続きを早く済ませて新生活をスタートさせたいと考えるため、協議離婚を選択するのです。

【協議離婚の方がいい?】協議離婚のメリットを確認しよう!

離婚調停

離婚調停は、夫婦で話し合っても離婚条件に合意できず、話し合いが進まないときにおこなわれます。婚姻関係が長ければ長いほど、財産分与などの金銭面や、子どもの親権・養育費など、取り決めることが多くなりがち。決めなければいけないことが多いほど、離婚条件で合意にいたることが難しくなるといわれています。

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裁判離婚

離婚調停で話し合いをしても、相手の合意を得られなかった場合には離婚について裁判で争うことも…。ただし裁判離婚は、離婚調停をしないと訴えを起こせないことには注意が必要。

離婚裁判には話し合いがなく、夫婦が離婚するべきかどうかについて裁判官が判決を下すことで離婚成立となります。そのため裁判官によっては、「離婚の原因がない」とみなされ離婚成立とならない場合があることには注意が必要です。

【裁判離婚は時間がかかる】離婚訴訟になった場合の3つの終結の仕方

離婚の手順

離婚を決意したなら正しい順序で、なおかつあなたが有利になるような手順で進めることをおすすめします。具体的には以下の手順で離婚話を進めると良いですよ。

離婚を切り出す

話し合いをスムーズに進めるためには、離婚を切り出すタイミングが重要。たとえば、あなたのパートナーが不倫したことを理由に離婚を切り出す場合には、確固たる証拠があるかどうかがポイントになります。しっかりとした証拠があれば、慰謝料の増額が見込めるので、離婚を切り出すタイミングには注意しましょう。

離婚条件を話し合う

離婚を切り出せたら、財産分与慰謝料親権養育費面会交流などについて話し合いましょう。離婚届を提出する前には、必ず取り決めなければいけないことがあります。

取り決めの内容は以下のような点によって異なります。

  • 婚姻中に築いた財産がどれくらいあるのか
  • 慰謝料は必要なのか
  • 子どもはいるのか

離婚する際には、なにについて話し合わなければいけないのかを見落としているケースも少なくありません。あなた自身の状況をふまえて、必要事項をチェックしましょう。

一番確実な方法は、弁護士など離婚に詳しい人に相談することです。後々のトラブルにならないよう、専門知識をもった人に相談することをおすすめします。

離婚協議書を作成する

離婚協議書とは財産分与や慰謝料など、離婚に関する取り決めを証拠として残す書類のこと。後々のトラブルを防ぐために記録し、公正証書として残すことをおすすめします。

離婚届を提出する

お互いが離婚内容に合意できたら、離婚届にサインと捺印をしましょう。もし子どもがいる場合には、親権を記入しないといけません。

また、夫婦それぞれの証人によるサインと捺印も必要です。すべて記入したら役所の戸籍課に提出し、受理されれば離婚成立となります。

離婚に際して決めておくべきこと

離婚する際、決めておかなければならないことは以下の5つ。詳しく見ていきましょう。

親権

先ほどもお伝えしたとおり、子どもがいる場合、親権について離婚届に書かなければいけません。専業主婦で収入がない女性は、「もしかしたら親権をとれないかも…」と悩んでしまいがち。

ですが、子どもが幼い場合には母親が親権を勝ち取るケースが多いといわれています。絶対に大丈夫とはいえませんが、こういった実情があることもおさえておきましょう。

【弁護士監修】離婚時に必ず取り決めるべき親権について解説!

住居

離婚する際、それまでに住んでいた家を出ないといけないことは少なくありません。相手の実家に住んでいる場合や持ち家に住んでいる場合などがそうです。こういった状況なら、新しい住居を探さないといけません。

ただし結婚後に購入した家なら、どちらかが住み続ける以外にも、売却して現金を折半するなどの方法も。ただ、このときには住宅ローンの残債など、いろんなことをふまえて決めないと後悔することになりかねませんので、注意してください。

桔梗さん
このとき、新しい仕事もあわせて探さないといけないことも。子どもの転園や転校先についても、離婚後にすべて行うのはとても大変。なので、離婚前に決めておくことをおすすめします。

財産分与

婚姻中に貯めた預貯金や年金、家、車など、婚姻中に築いた物はすべて財産分与の対象となります。換金可能なものなら、基本的に1/2ずつ受け取れます。ですが家や車、家具などは分け合えないので、どちらが受け取るのかよく話し合って決めてましょう。

面会交流

子どもがいる場合、親権を持たない親は子どもと会う権利があります。そして、子どももまた、親権をもたない親と会う自由が必要。そのため、子どもと会う頻度や方法を取り決めましょう。

ただし元パートナーが子どもに暴力を振るっていたなど、子どもにとって面会が良くない場合には、面会交流をしないこともあります。状況に応じて、子どもにとって最適な方法を模索しましょう。

養育費・慰謝料

金銭面の取り決めもおろそかにしてはいけません。あとでトラブルにならないよう、しっかりと話し合いましょう。

たとえば養育費の場合、月にいくらにするのか子どもが何歳になるまで支払うのかなど、具体的に決めておく必要があります。また相手の不貞行為やDV、モラハラが原因で慰謝料を請求する場合には、弁護士に相談するのがおすすめ。いくらくらい要求できるのかなど、離婚に関する取り決めを有利に進めてくれると期待できるからです。

弁護士に相談したい方はこちら

協議離婚が決裂してしまった場合の手順

どうしても協議離婚がまとまらないと、離婚できないままズルズルと時間が過ぎてしまいがち。そんなときのにおすすめの手順をご紹介します。

親・友人などを交えて話し合う

夫婦2人きりで離婚について話し合うと、感情的になりやすく、話が決裂しやすい傾向があります。そんなときには親や友人などの第三者を交えて話し合うことが有効。冷静に話しを進めやすいほか、客観的な意見をくれることも期待できます。

ただし養育費や慰謝料、財産分与に関してなど、金銭に関わる話し合いでもめている場合には、弁護士に相談するのが良いでしょう。

離婚調停に進む

先述のとおり、離婚調停の申立てをすると、中立な立場の調停委員が間に入ってくれます。離婚調停は基本的に、相手と顔をあわせることがないよう配慮してもらえるので、冷静に離婚のことを考えやすくなります。さらに調停委員は離婚に関するプロなので、夫婦の状況をふまえて適切なアドバイスや、より良い条件を教えてくれるかもしれません。

もし離婚調停でも話がまとまらない場合には、離婚裁判に移行することも可能。ただし離婚裁判になると、時間だけでなく費用や労力もかさむため、ある程度妥協して離婚調停で終わらせることをおすすめします。

離婚時の手続きに関する手順

離婚の取り決めをまとめられても気は抜けません。あとになって焦らないよう、離婚時の手続きに関する手順もおさえておきましょう。

離婚届の提出

先述のとおり協議離婚の場合、離婚届の提出は役所の戸籍課へ提出するだけ。基本的に離婚届は全国どこの役所へ提出しても受理してもらえます。ただし戸籍がない役所へ提出する際には、夫婦の戸籍謄本が必要になるので気をつけましょう。

住民票の異動手続き

離婚をすることで転居する場合には、転出届や転居届、転入届を提出しなければなりません。役所に離婚届を出しただけでは住民票の変更まではできないので、注意してくださいね。

身分証の変更手続き

離婚によって姓名や住所が変わる場合には、運転免許証やパスポートなどの変更手続きが必要となります。運転免許証は管轄の警察署で手続きできます。住民票、もしくは転居先の住所に届いた郵便物を持って行きましょう。

パスポートは所管のパスポート申請窓口で手続き可能。必要なものは、一般旅券発給申請書(記載事項変更用)、パスポート用の写真、戸籍謄本、婚姻中のパスポートです。

健康保険・年金の加入手続き

女性の場合、婚姻中は配偶者の扶養に入っているケースが多いといえます。この場合、離婚をすると扶養から外れるので、市町村役場へ行き、国民健康保険・国民年金に加入する手続きをしましょう。国民健康保険の加入手続きには原則、離婚後14日以内という期限があることもおさえておきましょう。

桔梗さん
離婚後に会社の健康保険、厚生年金に入る場合には、勤務先での加入手続きとなることに気を付けてくださいね。

印鑑登録の変更手続き

離婚によって姓名、住所変更が生じると、印鑑登録の変更をしないといけなくなることがあります。あとになって慌てることのないよう、チェックしておきましょう。

印鑑登録の変更は市町村役場でできます。印鑑登録カードと新しく登録する印鑑、本人確認書類を持っていきましょう。

桔梗さん
このように役所で行う手続きが多いので、一度で済むように、必要な手続きをチェックしておくことをおすすめします。

まとめ

離婚の手順を把握しておくことで、よりあなたに有利な状況で別れられます。それだけではなく、円満かつスムーズに離婚できる可能性が高まるので、あらかじめ手順をおさえておくことが大事。さらに離婚したあとの手続きもぬかりなくしておけば、あとになって慌てることもありません。

今回お伝えした内容を活かして、いち早く新しい生活を迎えてくださいね。

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